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2009年メジャーリーグ

2月に宮崎で行われた日本代表合宿から大きな盛り上がりを見せていたWBC(ワールドベースボールクラシック)が先日最高の形でフィナーレを迎えた。23日に行われた韓国との決勝は、まさに国際大会の決勝戦にふさわしくお互いのプライドをかけた熱戦だった。一つのフォアボール、一つのミスで試合は全く違うものになっていただろう。特に9回から10回にかけての攻防は本当に見応えがあった。日本が勝利まであと1アウトというところまで追い詰めながら、9回にダルビッシュ投手(日ハム)から1点を奪い同点にし、逆転サヨナラのチャンスを作った韓国チームの底力には脱帽させられた。

この延長戦までもつれ込んだ試合に決着をつけたのは、やはりイチロー選手(マリナーズ)だった。今大会なかなか結果が出せず、大会途中「心が折れかけた」とまで発言していたが、決勝の最後の最後の場面でチャンスをものにするあたりが本人の言う「何か持っている」ということなのだろう。試合後の会見で決勝タイムリーを打ったあと冷静でいた理由を聞かれて「普段と変わらない自分でいることが僕の支えだった。この支えを崩すと自分を支えきれないと思っていた。」というほど精神的に追い込まれながら、結果を出すところは役者の違いを感じざるに得なかった。

そしてこのWBCで活躍みせたイチロー選手、城島選手が優勝を手土産にマリナーズの一員に戻ってくる。この2人がマリナーズに欠かせない選手であるのはもちろんだが、3月の今の時点であれだけの実戦経験を積んでいるというのは非常に頼もしい限りだ。毎年春先は助走の期間ととらえているイチロー選手だが、今年はすでに実戦で多くの打席に立っているので、春先からの爆発が見られるかもしれない。城島選手はこれから投手陣とのコミュニケーションを構築するという大きな仕事が待っているが、WBCで優勝した翌日にすでにマリナーズのキャンプ地に移動しているところを見ると、シーズンにかける意気込みを感じる。この他にもマリナーズにはWBCで準決勝進出を果たした、ベネズエラ代表にヘルナンデス投手、シルバ投手、ロペス選手、チャベス選手を送り込んでおり、WBC効果が最も期待できる球団だろう。

そしてまたマリナーズはこのオフに大きなチーム改革を行った球団の一つでもある。新GM・新監督を迎えて、昨年101敗を喫したチームからの変貌を遂げようとしている。オフには積極的にトレードを行い、多くの若手選手を獲得してチームの若返りに成功した。そしてシアトルの誇る英雄である、ケン・グリフィーJr選手をFAで獲得して、チーム内の雰囲気も一気に高まってきている。

マリナーズが大きなチーム改革を行ったように、このオフ、アメリカンリーグ西地区というのは、最も選手の入れ替えの多かった地区のように思える。昨シーズンぶっちぎりの大差で優勝を果たしたロサンゼルス・エンゼルスからはマーク・ティシェイラ選手、フランシスコ・ロドリゲス投手といった大物選手がFAで移籍し、大幅な戦力ダウンとなった。そしてマネーボールで知られる、オークランド・アスレチックスは珍しく、マット・ホリデー選手、ジェイソン・ジオンビ選手、ノマー・ガルシアパーラ選手といった大物選手を補強して戦力アップにつなげた。これに若手の底上げが見られる、テキサス・レンジャースが加わって、今年のAL西地区は昨シーズンとは違う戦いが期待できる。
(記事、写真: アキムラ・サトシ)

 

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